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Reportレポート

SPECIAL観戦DAY_サムネ

《堺シュライクスSPECIAL観戦DAY》シュライクスにかかわるすべての人がFamilyになった日

このツイートを目にした時、私の目頭は激熱となった。

あの日、球場で大歓声を聞いた時と同じように

 

ご挨拶が遅くなりました。私は、桃山学院大学社会学部3回生の武輪と申します。

今回のSPECIAL観戦DAYを企画・運営した、社会学部学生リーダー育成プロジェクト社会調査応用プログラム(以下、応プロ)の代表を務めております。

長く、硬い名前ですみません(笑)

以下では、929日(日)に「桃山学院大学presents 堺っ子集まれ!堺シュライクスSPECIAL観戦DAY」を開催するまでの道のりと当日の様子をご報告させていただきます。

すべては夏凪代表の一言から始まった

「球場に500人集めるっていうのはどうかな。何でも好きなようにしていいから。」

このプロジェクトは、夏凪球団代表の何げない一言から始まった。

 

201812月に、夏凪さんが本学の卒業生というご縁で連携させていただくことになった。球団を多くの方に知ってもらう取り組みを学生の目線ですることになり、最終的な目標をどうするか、打ち合わせをしている時のことだった。

夏凪さんのこの一言に

「おもしろいですね。どうせなら球場を満員にしましょう。」

と、即答したのは、私たちの活動をサポートしてくれている岩田先生だった。

 

打ち合わせが終わって、心配になった私は先生に尋ねた

「先生、満員って、何人くらい集めるんですか?」

「知らない。何人くらい入るのかな。調べてみて。」

私はすぐさま検索した。

「南港中央野球場なら4000人、住之江でも3000人くらいみたいです。」

「そんなに!? まぁ、どうにかなるでしょ。」

当時、堺シュライクスのことだけでなく、野球のこともあまりよく知らなかった私は、大きな不安に襲われた。

厳しい現実…

昼休みや放課後に集まって、私たちは堺シュライクスを多くの方に知ってもらうための企画について話し合いをはじめた。かなりの数の案が出て、夏凪さんからOKをいただいたものもあった。しかし、どの案も、なんとなくしっくりとこない

 

私たちは、堺市や和泉市など地元地域を盛り上げる活動をするために集まったメンバーだった。そのため、私も含め野球のことをよく知らない者も多かった。自分たちの企画で、本当に堺シュライクスのファンを増やすことができるのか、自信を持つことができなかったのだ。

 

何度も話し合いを重ね、まずは堺シュライクスや野球のことを知る必要があるのではないか、そうでないと自分たちの企画に自信を持つことができないのではないか、ということになった。試合の運営をお手伝いさせていただき、球場に実際に足を運ぶことからはじめることにしたのである。

 

しかし、球場に通うようになって私たちが目にしたのは、関西独立リーグの厳しい現実だった。開幕戦こそ、4チームによるダブルヘッダーで試合が行われたこともあり、スタンドはファンの方たちでかなり賑わっていたが、それでも球場は満員にはなっていなかった。

 

平日の昼間の試合では、熱烈なファンの方以外の観客がほとんどいない日も少なくなかった。私は、絶望的な気持ちになっていた。

「球場を満員にするなんて無理

試合運営の補助に参加した他のメンバーも、きっと私と同じように感じていたはずだ。

私たちにできること

このような私たちのムードを変えてくれたのは、82日に泉ヶ丘で行ったイベントだった。

 

この日、私たちは初めて堺シュライクスの選手のみなさんと一緒に活動をした。試合運営のお手伝いに行っても挨拶をする程度で、長い時間、選手のみなさんと話しをすることはほとんどなかった。堺シュライクスを熱狂的に応援しているファンのみなさんの気持ちも、正直なところ、よくわかっていなかった。

 

しかし、イベントの合間に選手のみなさんとお話しさせていただく中で、どのような思いで野球をされているのか、堺シュライクスの選手になられたのかなど、生の言葉で知ることができた。この日、独立リーグの魅力の一つが選手との距離の近さにあることを私は初めて知ったのである。

 

このイベント以降、運営のお手伝いに行った際に、選手のみなさんが声をかけてくださることも増えた。

「いつもありがとう!」

 

正直なところ、授業やアルバイトで忙しい時には、球場に行くのに気が進まないこともあったが、選手のみなさんのこんな一言で、私たちはシュライクスのことをだんだんと好きになっていった。

 

「シュライクスの選手のみなさんを応援したい! 」

「もっと多くの人にチームのことを知ってもらいたい! 」

堺中をシュライクスで埋め尽くせ!

こうして、「桃山学院大学presents 堺っ子集まれ! SPECIAL観戦DAY」の準備が本格的にスタートした。

 

堺中を完成したポスターやチラシで埋め尽くそう!と。まずは、堺市にある小学校・中学校・高校や、堺市内の少年野球チーム、堺シュライクスのスポンサー企業、会場に近い南港にある学校などに電話をして、チラシの配布やポスターの掲示などをお願いすることにした。

 

発送作業に追われる応プロメンバーたち

さらに、後援をしてくださっている泉北高速鉄道、8月のイベントの開催にご協力いただいた南海電鉄都市創造本部泉北事業部など堺市内の多くの企業や、団体、店舗などにもお願いし、計160以上もの学校・企業・団体のみなさまに協力していただいた。

本当にありがとうございます!

 

しかし、堺をチラシやポスターで埋め尽くそう!と意気込んで始めたものの、私たちが活動を本格化させたのが遅かったこともあり、以前地域を盛り上げるイベントを開催した際には協力してくださった企業や団体から断られてしまうことも少なくなかった

これでは球場を満員にできない。私たちの心の中で焦りがどんどん大きくなっていった。どうにかしなければ

こうなったら一人でも多くの人にチラシを渡そう、どんなに泥臭くても。

 

わたしたちは、道路使用許可を取って、授業の空き時間や放課後に堺東・中百舌鳥・泉ヶ丘の駅前でチラシの配布を開始した。

 

多くの方がチラシを手に取ってくださる一方、冷たい対応をされることも少なくなく、私たちはだんだんとメンタル的に追い込まれていった。

 

救世主、あらわる。私たちの厳しい状況を察するかのように、私設応援団・仁徳會の団長(右)が駆けつけてくれたのだ。団長、ありがとう! 中学生とは思えないその行動力、私たちも見習わなければ

 

そして、さらに強力な助っ人が加わる。球団スタッフの伊藤さん(左から2番目)がチラシの配布に参加してくださったのだ。涙が出そうになるほど、ありがたかった。三田市にあるアメニスキッピースタジアムでの試合後に駆けつけてくださったこともあった。どんなにメンタルをやられても投げ出すわけにはいかない。私たちはチラシの配布を続けた。

 

しかし、堺市の子どもたちみんなにチラシが行きわたるよう、10万枚のチラシを配布する!という壮大な計画を実現することはできなかった。

 

直前に朝日新聞など複数のメディアでとりあげていただいたものの、本当に人があつまるのか、という不安を抱えたまま私たちはSPECIAL観戦DAY当日を迎えることとなった。

SPECIAL観戦DAY当日

09/29(日)南港中央野球場 晴れ

私たちは、入場4時間前に集合し、準備を開始した。

 

3回生から厳しい指示が飛ぶ。負けじとテキパキ動く後輩たち

準備が進んでいくにつれ、いつもとは違う特別な空間に球場が変身していった。

 

最終打ち合わせをする応プロメンバー

 

球場をSPECIAL観戦DAY仕様に変える応プロメンバー

準備をしていると、1人の男性が声をかけてくれた

「新聞見てきたよ!!楽しみにしてるよ!」

記事を見て、試合を観に来てくれたのだ。

すごく嬉しかった。

それでも私たちの不安が消えることはなかった。

本当に人が来てくれるのか

そのような不安を振り払うかのように、私たちは一心に準備を進めた。

 

なんと行列が!

17時の開場まで1時間はある16時頃から受付付近にはお客様の姿がちらほら

30分もすると、球場入口はお客様で溢れかえった

長蛇の列。

私たちは驚きを隠せなかった。

 

当日まで、どれだけの観客のみなさんが来てくださるかわからなくて、寝られない日々を過ごしていた私の不安は一瞬で吹き飛んだ。

 

お待たせしました! 開場です!

Marineによる素晴らしいパフォーマンス!

試合前のチアリーディングクラブMarineのみなさんによるパフォーマンス。

素晴らしすぎるパフォーマンスに、球場は歓声に包まれる。

私たちも勇気づけられました。本当にありがとう!

 

選手と記念撮影。ちゃっかり真ん中にいる私(笑)

 

圧倒的なパフォーマンス!

 

パフォーマンスに拍手を送る大西監督と堺シュライクスの選手たち

 

ポンポンで作ってくれた「サカイ」

選手入場! 始球式!

当日募集したエスコートキッズをめぐっては争奪戦が勃発!

「僕もエスコートキッズやりたい!」

「私も!」

子どもたちが受付に殺到した。

 

選手と同じSPECIAL観戦DAY限定のユニフォームを着て、少し照れながらも嬉しそうにエスコートキッズたちがスタメンの選手たちと入場。Marineのみなさんと選手たちが作ってくれた花道を通って

 

選手とハイタッチをして元気に入場

 

始球式、緊張しながらも、しっかりキャッチャーまで投げてくれました!!!

 

球場に「オォーー!」という歓声が響き渡ります。

拍手!!!

 

投げたボールを受け取る始球式キッズ

 

選手からもらったサインボールを嬉しそうに持ちポーズ!

 

プレイボール!

多くの観客で埋まる一塁側スタンド。

 

私設応援団・仁徳會のみなさんを中心に、選手に熱い声援を送る観客のみなさんとチアリーディングクラブMarineみんな

 

「がんばれがんばれシュライクス!」

こんなにも、たくさんの人が声援を送っている。

みんながタオルを回して応援している

 

この光景を見るために、今まで頑張ってきたんだなあと思ったら、涙が

危ない危ない。まだ試合は始まったばかりだ!

 

たくさんの人で埋まる一塁側スタンド

 

一塁側スタンドから送られる熱い声援

 

団長(右)を中心に声援を送る観客のみなさん

 

ガンバレの文字を掲げるMarineのみんな

 

仕事の合間に声援を送る応プロメンバー

 

一夜限りの特別ユニフォームの選手たち

私たちがデザインしたユニフォームでプレーする選手たち。

いつもにも増してカッコいい!

 

先発は上田投手

 

試合前日に「ShrikesFamilyで最高な1日にしましょう!!!!!」と投稿してくださった中道選手

 

今シーズン、首位打者となったシュライクスの4番、神原選手(撮影 シュライクスフォトクラブ)

 

誰もが楽しめる球場を目指して

スタンドでは売り子がビールを売り、 観客のみなさんが美味しそうに飲み干す。

ここは本当に南港中央野球場なの? と疑ってしまうような光景だった。

「球場で、こんなに安くビールを飲めるなんて。ありがとう!」

と言ってくださる観客のみなさん。

こちらこそ購入していただきありがとうございます。ビール完売です!!

 

「ビールいかがですか~」と、売り子役の応プロメンバー

 

「ありがとうございます!」と、ビールを注ぐ応プロメンバー

 

そして!! いつもは静かな通路にミニ縁日が出現。なんてったってこの日はSPECIAL観戦DAY! ストラックアウト、スーパーボールすくい、シュライクスカラー(緑)の綿菓子に、子どもたちは大喜び。

 

「綿菓子職人になりました!」と、応プロメンバー

 

野球といえば、ストラックアウト!?

 

スーパーボールすくいをする子どもに笑顔で対応する応プロメンバー

 

縁日の景品は限定シュライクスチョコ!

 

今日からあしたに、ホップ ステップ ジャンプ!(堺っ子体操より)

試合は、5回までに4点を先行され、苦しい展開。

強力打線のシュライクスだが、この日はチャンスに一打が出ず

もちろん選手は全力でプレーしてくれました。

 

気迫のヘッドスライディングで出塁した鶴巻選手。

涙がでそうになりました

 

打て!

 

試合を見守りながら、何度も何度も大きな声で叫んでいました。無意識に

叫んでいたのは私だけではありません。

球場の至るところから聞こえてくる大きな声。

 

ラッキーセブンに、堺っ子体操を踊り、球場を盛り上げる仁徳會のみなさん

 

堺っ子体操を笑顔で踊り、声援を送る子供たち

 

今日からあしたに、ホップ ステップ ジャンプ!

 

試合終了!

残念ながら、試合には負けてしまいました。0対4の完敗。そして、私たちも球場を満員にするという目標は達成できませんでした。

 

でも、みなさんのおかげで、最高の時間を過ごすことができました。そして、今シーズン最多の観客のみなさんにお越しいただくこともできました!

 

「来てよかった!」

「また試合を観に来たい!」

「楽しかったよ!」

多くの方から様々な言葉をかけていただきました。

みなさんとこの特別な空間と時間を共有できて本当に幸せでした!

球場に来てくださったみなさん、そして選手のみなさんの笑顔を見ることができて、本当に嬉しかったです。

 

観客のみなさんと選手で記念撮影

 

観客のみなさんをお見送りする大西監督と選手たち

 

ここからが本当のスタート!

観客のみなさんが帰路につき、縁日などの後片付けもすみ、球場はいつもの姿に。

その光景を見て、無事に終了したことの嬉しさを感じるとともに、SPECIAL観戦DAYが終わった寂しさがじわじわとこみあげてきました

でも、私たちの活動は、これで終わるわけではありません!

来シーズンは、今回の反省も活かし、もっと多くの方に堺シュライクスや関西独立リーグの試合を見に来ていただけるようにがんばります。シュライクスが、堺だけでなく、大阪や、関西でも愛される球団になるよう、少しでもお役に立てればと思っています。

私たちの不手際でご迷惑をおかけしたこと、至らない点もたくさんあったと思いますが、みなさんのおかげで、SPECIAL観戦DAYを無事に終えることができました。

ご協力いただいたすべてのみなさまに心から感謝申し上げます。

本当にありがとうございました!

 

私は、あの瞬間を一生忘れない。

あの日、シュライクスにかかわるすべての人たちがFamilyになった、あの瞬間を。

蛇足ですが

はじめにも書いたように、私は最初から野球に興味があったわけではありません

でも、開幕戦からずっと試合を観てきて、野球ってこんなに面白いんだ! ということを教えていただきました。

そんな魅力が堺シュライクスにはあります! そのことを一人でも多くの方に知っていただきたいです。みなさんの休日の過ごし方に、シュライクスや関西独立リーグの試合観戦を選択肢の一つとして加えていただきたいです。

 

最後に、「私は堺シュライクスが大好きだ!!!」

 

【クラウドファンディングのお礼】

クラウドファンディング「球場を満員にして、堺シュライクスをみんなで応援したい!」に、44名のみなさまから総額513,000円のご支援をしていただきました。みなさまのおかげで、桃山学院大学presents SPECIAL観戦DAYを無事に開催することができました。

2週間という短い期間にもかかわらず、多くのみなさまにご支援いただき心より感謝申し上げます。ご支援いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

 

【ご支援いただいたみなさまのご紹介(順不同・敬称略)】

米田寧々・あきたももか・いわたゆき・yossymananecoco

とらえもん・黄昏M氏・矢野公大・若・基山竜広

岩田考・バイロン・ジョナー・けいぞう・佐嶌克哉

日比野舜・木島由晶・岩田夏代・キャプテン・みっくん

すーちゃん・イトゥー・カオリン・武輪孝司・武輪知佐

Crew・中杉憲之・香田・まろ君・momipapamomimama

河村公仁・荒木克典・小田啄真・小田春美・武輪庄一

大川実愛・まさのぶ・石川ミリオンスターズ応援隊・株式会社モリタパック

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